重要文化財「三教図」
三次元計測技術、VR、AR技術を活用した魅力発信事業

取り組み紹介

宗教法人両足院が所有している重要文化財「三教図」を高精細でスキャンして、8Kの高精細ディスプレイを用いて展示しました。来訪者は自由な操作でインタラクティブに観覧することができ、肉眼で見る以上にズームするなど実物でも難しい鑑賞体験を実現しました。また、重要文化財「三教図」を題材としたバーチャルエクスペリエンスとして「バーチャル両側院」を構築しました。高精度スキャンを行った重要文化財「三教図」を題材に、ウェブサイト上でのバーチャル体験を提供しました。


〈第1回目 進捗状況〉
進捗状況

両足院所蔵の重要文化財「三教図」を保管している京都国立博物館にて、高精度スキャンシステムを用いて、高解像度でスキャンを行いました。また、スキャンデータを8Kモニターに表示させ来訪者が自由に拡大縮小などをしながら鑑賞することができるインタラクティブなビューワーシステムの構築を行い展示を開始しました。(令和3年12月時点)

三教図を保管している木箱。
研究員の方によると木箱は三教図が描かれた当時のものではなく、江戸中期に別途作られたもののようであるとのことです。


専用スキャナーをセットアップしている様子です。


専用スキャナーをセットアップしている様子です。


高精度スキャンシステムを用いて重要文化財「三教図」をスキャンしている様子です。


ビューワーシステムの構築の様子です。TouchDesignerというフレームを用いて、高精細なスキャンデータを劣化なく表示することが可能です。






〈第2回目 進捗状況〉
進捗状況

両足院副住職 伊藤東凌氏が推進する「是是プロジェクト」の一環として、「両足院マルチバース展」を開催しました。新しいコミュニケーションを提案する是是プロジェクトの中でも、テクノロジーを活用した体験から新しい視点を獲得する試みである「忘是プロジェクト」を中心とした展覧会を実施しました。
展覧会では、本事業で制作した8Kの高精細ディスプレイを用いた「三教図」を展示しました。また「忘是プロジェクト」においてかねてよりコラボレーションを推進してきた株式会社ティーアンドエス テクノロジカル・クリエイティブファーム「THINK AND SENSE」との取り組みによりアート展示やAIテクノロジーを駆使した新作インスタレーション展示などを実施しました。(令和4年3月時点)

建仁寺の境内に複数の立て看板を設置。両足院だけでなく建仁寺に来訪した観光客にも立ち寄ってもらえるように誘導しました。


重要文化財「三教図」の高精細スキャンデータを8Kモニターで展示しています。鑑賞者はマウスを使って見たいポイントに自由にズームイン操作し、肉眼では見ることができない細部まで鑑賞することができます。


両足院内方丈では、新作アートインスターレーション「イマジナリー枯山水」を展示しました。展示AIが生成した架空の枯山水を両足院の本物の枯山水に重ねて一つの景色となるように配置しており、枯山水らしさはどこにあるのか?を問う作品となっています。


ヴァーチャル両足院で展示しているアートワークと同じものを、両足院の現地でも展示しました。リアルとヴァーチャルの展示内容をリンクさせました。


展示を鑑賞する来場者の様子です。デジタルに長けた方から、たまたま京都に観光に来ていた観光客など多様な層の方々が来場されました。


京都在住のバイオアーティスト 長谷川愛氏をお招きし、両足院副住職 伊藤東凌氏を交えたトークセッションを行いました。今回の取り組みの狙いや背景、今後の活動についてなどを長谷川氏からコメントを頂きながらトークセッションを展開しました。